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鳴弦文庫 9月の展示物
中村汀女 (短冊)  「烈日の美しかりし桔梗かな 汀女」 
杜若    (短冊)  「莟から萩も覗くか筒井つゝ」
池田満寿夫(書)  「荒海や佐渡に横たふ天の川」
河合 凱夫(色紙)  「霧もつれおり晩齢の槻の瘤」
秋尾 敏  (色紙)  「闇は沖より浜木綿が身を反らす」
 
 土田杜若  つちだ とじゃく ?〜享保十四(一七二九)年八月六日
 伊勢国藤堂藩伊賀村の蕉門の侍(ただし、歌舞伎の一・三世岩井粂三郎(五・八世岩井半四郎)も杜若を名乗っている)。

 莟から萩も覗くか筒井つゝ

 伊勢物語の「筒井筒井筒にかけしまろがたけ過きにけらしな妹見ざるまに」である。幼ななじみの男を思い、親からの縁談も断って独り身でいる女のもとに、隣りの男から「「井戸の縁にも足りなかった自分の背丈もその高さをこしたようです。貴女を見ぬ間に」という歌が届き、二人は結ばれる。その純愛の歌を下敷きに、杜若の句は「莟のうちから萩も覗いているのか」と言っているのであるが、「覗く」は物語の後日談をも含めての言葉かもしれない。夫婦となった二人だが、妻の親が死んで貧しくなると、男は他の女に通い出す。それでも怒らない女を不審に思った男が隠れて見ていると、そこには化粧をして夫の道中の安全を祈願する女の姿があった。もちろん男は改心して、女の元へ帰るのである。
 
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